オリジナルロットシールを作るフリーソフト
〜ニチバン ラベルメイトLight5〜
母子手帳や接種記録にロット番号の記録を残すことが義務づけられているが、
輸入ワクチンではロットシールがついていないので手書きすると手間がかかる。
そこで、自分でシールを作っちゃおうという話です。
ロットシール以外でも、筋注 0.5mL などのシールがあると便利だし、
子供の鉛筆に貼るお名前シールなんかも作れます。
WORDやEXCELで作っても良いんですけど、他の文書を印刷すると、
プリンターの設定が変わってしまい、毎回、用紙サイズや余白を変更しなければ
ならなくて、結構煩雑です。
ニチバンさんが無料公開している印刷専用ソフトが使えそうなので、ここに情報共有します。
以下は、ロットシールを自前で作るためのノウハウです。
●使用するラベルシール
私が使っているのは(当院が仕入れているのは)、下記です。
◎ Tanosee TL20-6 無地ラベル 8×20mm 1パック(525片:35片×15シート)
Lサイズ横置きで、シール1枚のサイズは20mmx8mm
横5列、縦7行です。
https://www.tanomail.com/product/4167457/
← ここだと15シート入りで112円
はがせない強粘着の赤いラベルの方です。同一デザインで青ラベルのはがせるやつもあるので注意。
全く同じサイズをダイソーが作っていて、30シート入りで100円と廉価です。
置いてある店が少ないのと、ダイソーは注文できないのが欠点です。
ニチバンでも同様のシールを作っています。15枚入り250円くらいです。
◎ ニチバン マイタックラベル ML-6
これも、はってはがせない強粘着タイプにしてください。
ニチバン純正なので、下記のニチバンの印刷ソフトにはML−6RCという設定が最初からあり、自分で設定せず
すぐに印刷できます。
Tanoseeと同じに見えるのですが、シールの間隔が0.5mm違うので、(こっちの方が狭くて2mm)
同じ設定では使えないです(ラベル設定を変えればOK)
●印刷ソフト ラベルメイトLight5
ニチバンから便利な印刷ソフトが無料で公開されています。シール1個分デザインすれば、シート全部のシールに同じように印刷してくれます。
ラベルメイトLight5 ニチバン株式会社
https://www.nichiban.co.jp/stationery/labelmate/
このソフトのサイトはこちら(上記URL)
対応OSはWindows8.1以降とありますが、Windows
7では動くみたいです。古いPCで充分。プリンターの近くにPCがないと不便なので、もう使わなくなったノートPCとプリンターをシール印刷専用セットにして、倉庫にでも置いておくと良いんじゃないかと思います。
なお、小さい字が読みやすいお勧めのフォントは
英文:Arial Narrow
和文:MS Pゴシック
です。Windowsの標準フォントとして入ってます。
よくできたソフトなので、難しいことを考えずに使えると思いますが、普通のワープロと違うところがあるので、操作方法サンプルを作ってみました。操作方法サンプル
◎ ラベルシール Tanosee、TL20-6 の設定値は以下のとおりです。
「ファイル」「用紙の設定」「ユーザーシート」で、「ユーザーシートの作成」を選んで、
用紙サイズ:フリー
用紙:
幅:130mm
高さ:90mm
ラベル
ラベルの種類:四角
横 5面
縦 7面
ラベルの幅 20.5
ラベルの高さ 8.5
左余白 。2.0
上余白 11.0
左右間隔 2.0
上下間隔 2.0
と入力して保存します。
マイタックを使うなら、ML−6RCという設定が最初から入っているので、それを選べばOK。
「ファイル」「用紙の設定」「一般表示」で「ユーザーシートの作成」
メーカーをニチバン、型番をML-6RC を選んで、用紙の置き方を横置きにしてください。
テスト印刷には、シールの裏面を使うと簡単です。
次にプリンタの設定です。
「ファイル」「プリンタの設定」で、プリンタをCanon
TS-200 Seriesを選んだら、
用紙サイズ L版
印刷の向き 横
にする。ただしこれは記憶されないので、ソフトを起動する度に行わないとダメらしい。
記憶させるには、コントロールパネルの「デバイスとプリンター」でプリンターを選んで「プリンターのプロパティ」を開いて、
「基本設定」で設定すれば、その用紙が標準設定になる。ラベル印刷専用にするなら、L版に設定すると良い。
デザインに関して、ワクチン名、ロット番号、メーカー名、ワクチンペットネームを配置して、行間にカラーでワクチン別の線を引いておくと、シールを選ぶのが楽になると思う。べったり色を塗ると、文字がにじんでしまうので、お勧めしない。マーカーで印をつけることを考えたが、毎回するのも面倒。よく考えたらにじまない程度にカラーの線を引いて、赤は狂犬病、青はHavrix
などと色分けすれば良いだろう。
あとは、印刷プレビューして、印刷すればOK。
●プリンターの選択
シールサイズが小さいと、プリンターの選択にも注意が必要です。
印刷中に、シールがプリンター内ではがれると、最悪、プリンターが壊れてしまいます。
そこで、シールがはがれにくいように、後ろから給紙し、前に排紙されるタイプが良いです。下のカセットから180度反転して前に出てくるタイプは
反転するときにシールが中ではがれるのでダメです。
そして壊れてもダメージが少ないくらい安いプリンターがお勧めです。
レーザープリンターは、ダメです。定着ドラムで熱を加える事、何度もローラーを通るのではがれやすいことが理由です。、
私のお薦めは、 CANON TS-203 です。
理由1: 安い。 アマゾンで4500円です。純正インクカートリッジがついているのですが、純正インクだけでも4315円します。
つまりプリンター本体は実質200円。
なお、一般の印刷目的にも使えますけど、本体が安い分インク代が割高なのを覚悟して使ってください。
当院では、接種履歴の印刷(グリーンカード)と、このロットシール印刷の専用にしてます。
給紙トレイの給紙ガイドを一番狭くするとちょうどLサイズなのは、A4サイズの紙とLサイズの紙を交換する際に便利です。
●最後に欠点、不便な点
・用紙の設定は詳細に保存されるが、プリンターの選択は毎回必要。
・1枚のシート全てを同じ内容にするのではなく、一部の内容を変えたい場合に困る。左上と右下に、「狂犬病」とか大きく書くとシートを選ぶときに便利
なのだが、それをやるには、1枚ずつ設定する方法になる。一度作った後は、ロット番号を一括置換で変更したいのだができない。
一応不便な点も挙げたが、これだけのソフトが無料で使えるのはありがたい。
ロットシール以外でも、いろいろ活用方法があると思う。