肺炎球菌ワクチンの打ち方(2024)

 肺炎球菌ワクチンは、現在、大別して2種類あります。
  20価 結合型ワクチン プレベナー20 (PCV20) ← 2024年9月に発売開始
  23価 ポリサッカライドワクチン ニューモバックス (PPV23)

 20価の結合型ワクチンは、23価ポリサッカライドワクチンと同等の範囲をカバーし、免疫の持続性や予防効果は優れていると考えられています。

 高齢者向けの肺炎球菌の接種方法は、実質二択で、
 (A) 65才で、定期予防接種としてPPV23を1回接種して終了する。(名古屋市民は今年度に限り66才以上も公費助成) 有効性は3〜5年程度と短い。
 (B) (任意の年齢で) PCV20 を1回、自費で接種して終了する。(PPV23は打たない) 有効性は10年以上、おそらく一生持続するので追加接種不要。

 PPV23を接種した翌年にPCV20を接種することは可能ですが、それなら最初からPCV20を1回接種して終了する方が簡単で安くて効果も高いです。また定期予防接種の年齢をはずれてPPV23を接種すると8,600円かかりますので、PCV20の12,100円ととあまり変わらなくなってしまいます。

 いままで結合型ワクチンは15価までだったので、13価や15価を接種して翌年23価を打つことをお勧めしてきましたが、今は23価と同等の20価結合型が開発されたので、20価に置き換えた方がより良いです。

 接種の時期については、肺炎球菌感染症が重症かするのは、老化や手術などにより体力や抵抗力が著しく下がると肺炎が重症化しやすくなるので、そのようになる前に打つのが理想です。人によってその時期が予想できないので早めに65才で接種するように設定されていますが、ほとんどの健康な高齢者は65才から5年後の70才でも元気で、肺炎一つおこさない方が殆どです。しょっちゅう風邪を引くとか、肺炎で何度も入院するようになると、肺炎球菌感染症も危険になっていきます。ですから、本来は、体力が弱ってきたことを自覚してから打つのでもよいのです。ただ、病気やけがで急に悪くなることもあります。
 結合型ワクチンは10年以上有効と考えられていますので早く打ってもかまいませんし、いたって健康な65才の方はあわててうたなくても良いです。