フルミスト(鼻にスプレーするインフルエンザワクチン) |
インフルエンザワクチンは、あらたにフルミストが加わり、今年2種類になりました。 従来型の注射のワクチン IIV 不活化ワクチン 鼻にスプレーするワクチン LAIV フルミスト 経鼻弱毒生インフルエンザワクチン フルミストは、2〜18才に、1回接種です。左右の鼻腔内にそれぞれ0.1mL噴霧します。 当院では1回1万円です。名古屋市のインフルエンザ受験生応援助成の対象にもなりません。 効果はIIVとほぼ同等です。特に優れているわけではありません。 IIVと違って、生ワクチンなので、軽くインフルエンザにかかった状態になります。このため1週間程度後に鼻汁、鼻づまりなどのインフルエンザの軽い症状が出ます。つまり、フルミストのメリットは、「注射でない」の一点だけです。小さいお子さんで、注射嫌いでどうしても注射はイヤだ、という人に向きます。 また、生ワクチンなので、IIVと違う注意点があります。小児科学会が発表した、経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方〜医療機関の皆様へ〜 から注意点を抜粋します。 ● 接種後の副反応: 接種1週間後頃に、鼻閉・鼻漏(59.2%) は高頻度で見られます。 その他、過敏症 発疹 顔面浮腫、蕁麻疹咳嗽、口腔咽頭痛鼻咽頭炎 鼻出血精神神経系頭痛消化器 食欲減退、下痢、腹痛胃腸炎その他 発熱、活動性低下・疲労・無力症、筋肉痛、インフルエンザ中耳炎 ミトコンドリア脳筋症の症状悪化などの報告があります。 免疫不全や、妊娠中、フルミストは打つことができません。その場合はIIVを接種してください。 以下、接種できない人、注意をする人のリストを上げます。該当するものはありますか? ●接種不適当者/接種注意者 □ 今、発熱中の人 □ 今、重篤な急性疾患にかかっている人 □ 免疫不全の人、免疫を抑制する治療中の人は接種できません。注射ワクチンにしてください。 □ ゼラチン、鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに重度のアレルギーがある人は、注意が必要です。 □ 心臓血管系、腎臓、肝臓、血液の疾患や、発育障害等の基礎疾患のある人 □ 重度の喘息、症状のある人 □ 近親者に先天性免疫不全症の者がいる者 □ ワクチン接種後1〜2週間は、重度の免疫不全者との密接な関係を可能な限り避ける □ 妊娠中は接種できません。注射ワクチンにしてください。 □ 接種前約1か月、接種後約2か月避妊すること。 □ 接種後1〜2週間は授乳を避けること。 詳しい説明: ・米国では、「卵アレルギーのみの場合は、重症度に関係なく、あらゆるワクチン被接種者に推奨される以上の(特別な)安全対策は必要ない。」で接種されています。 ・米国では、喘息または喘鳴の既往歴のある 2〜4 歳児への接種を推奨していません。 ・LAIV の接種を受けた小児は、鼻咽頭分泌物中にワクチンウイルスを最長 3-4 週間排出する可能性があります。 LAIV 被接種者から未接種者へのワクチン由来ウイルスの水平伝播が報告されています。 重篤な疾患は報告されていません。 ・抗インフルエンザウイルス薬を使用した場合、一定期間後に接種してください。 |